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仕事と不妊治療、両立のためにできること

不妊治療を受ける上で、想像以上に大きなストレスとなるのが「お仕事との両立」です。

たとえば、急に「次は、明日診察に来られますか?」と告げられる。
不妊治療では、体の反応に合わせて日程が決まることが多く、どうしても急な通院が必要になることがあります。

「この曜日のこの時間しか通院できない」
「職場の上司に話しづらい」
「同僚に気を遣ってしまう」
「そもそも医療や教育などの現場では抜けるのが難しい」

……そういった声を、これまで本当にたくさん伺ってきました。

しかし、これに対して「何もできない」わけではありません。

ご存じでしょうか?
厚生労働省が発行している 「不妊治療連絡カード」 というものがあります。
このカードを記入して職場に提出することで、治療の必要性や通院の背景を職場に伝える一助となります。

▶︎ 不妊治療連絡カードPDFはこちら

実は多くの職場では、不妊治療に関する正しい理解がまだ十分に浸透していません。


「なぜ何度も通院が必要なのか?」
「治療中に体調が変わることもあるのか?」
そんな基本的なことも、知られていないケースが多いのです。

だからこそ、まずは「知ってもらうこと」から。
そこから職場での理解が少しずつ進み、心の負担もぐっと軽くなることがあります。

また、ART(体外受精など)における通院スケジュールは、ある程度こちらで調整することも可能です。

・どこから卵巣刺激を始めるか?
・通院はいつ頃になるのか?
・採卵日は?
・胚凍結をした場合、移植日はどのくらい先か?

——こういったことを前もって相談しておくことで、仕事のスケジュールと治療のスケジュールをうまく調整することができるのです。

もちろん、反応の仕方には個人差があり、完全に予測できるわけではありません。
けれども「先がまったく読めない不安」から、「ある程度見通しが持てる安心」に変わるだけで、気持ちはぐっと楽になります。

特に、採卵後にはお腹の張りが強くなることがあります。
その数日間はできるだけ無理をしないよう、あらかじめ仕事をセーブしておくことをおすすめします。

お仕事との両立に不安がある方、どうぞ遠慮なく外来でご相談ください。
一緒に、無理のない治療スケジュールを考えていきましょう。